今期発売のオモリグ専用ロッド『ツクヨミ』は、前回のブログで触れた『オモリグロッドに必要な曲がり』の必要な部分を残しつつ、シャクリ時やフッキング後のブランクの戻りを重視して開発しています。
その『戻り』とは、ブランク自体の復元力を言いますが・・
『曲がるのに戻る』と言うと、違和感が有るかと思います。
カンジインターナショナルで手掛けてきた従来のエギロッドは『曲がるけどハリが有る』機種が多く、いわゆる高弾性カーボン素材を用い、張りと曲がりにトルクの融合で仕上げている事が大半です。
(前回ブログで触れた『サムライブレード』の曲がりと粘りは、上記のそれとは、全く違う製法です)
高弾性素材は、俗に言う ”竿を振った時にパリッと感じる、シャキッと感じる” 素材の事を言いますが、高弾性素材のみの使用では、エギングロッド程の曲がりは制作が出来ても、オモリグロッド程の柔軟な曲がりが難しくなるのと共に、100g前後のキャスト時の負荷等に耐えうる事が難しくなってきます。
なので曲がり重視の場合は、比較的低弾性素材をメインに中弾性の組み合わせを多用するのですが、今回の新オモリグロッド ”月弓(ツクヨミ)”は、その曲がりを重視した全体に曲がるベンドカーブを見直し、更に4軸カーボンをバットからべーりに巻き上げる事で、復元力をアップさせています。
『4軸』と言う単語を耳にされた方も多いと思いますが、俗に言う4軸(4軸カーボン)とは、クロスラッピング(網目模様に近い)されたカーボンシートです。
この4軸カーボンシートをブランクに巻く事で、ブレとネジレが減り感度が向上、復元力も強くなります。
解りやすいイメージで言うと、スポーツ選手が着用している『スキンズ』『アンダーアーマー』等に代表されるスポーツ用インナーがそれで、筋肉を適度に締め付ける事で筋肉のブレを軽減し、疲労軽減に役立っており、それに近いように思います。
少し話が反れましたが、その薄い4軸カーボンを曲がるブランクに巻く事で、元々の曲がりに『復元力』が追加され、『曲がるのに戻る』と言うロッド性質に変わります。
4軸を巻く前のブランクは、前作『ST-metal』シリーズと比べ、スローテーパーに設計しており、全体の曲がりでの『身切れによるバラシ軽減』『シャクリ時の手首への負担』を更に向上するよう設計しています。
この”手首への負担軽減”ですが、釣れる日・・
爆釣の日に当たれば、元々が大きいサイズを狙う釣法なので、おのずと重量感も増す事になり、よりその重量負荷を経験する事になります。
自分自身は、動画でも説明、実施していますが大きなシャクリは、ほぼ行っていません。
最新イカメタル釣法『投げるオモリグ』 ←オモリグ動画
しかし、釣れる日に何度か遭遇している中で、ダイケンクラスを上げ続けていると、やはり手首に負担を感じるのですが、より高活性のイカを狙う釣法ゆえに釣れ続く事も少なくないので、それなりの負荷が、徐々に手首に響いてきます。
ですので、より全体に曲がるよう設計しつつ、4軸の補助を追加している・・・と言うのが、今作の”月弓(ツクヨミ)”のパワー、アクションとなっています。
ティップは、前作ST-metalのファイヤーティップ(蛍光オレンジ)を採用していますが、スレッドカラーを視認性の高い傾向ライムグリーンにする事で、ヘラ浮きのような視認性の高いメモリにも見える仕上げを行っており、微細なアタリを捉える為の目感度も向上。
又、ガイドをチタンにする事で、軽量化と感度の向上にも繋がっています。
月弓(ツクヨミ)は、自分自身の実釣経験の中で、必要と感じた要素を盛り込んで設計しています。
御購入時の参考になれば幸いです。